日々是好日

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近所の10年ほど前に廃校になった小学校で、毎年芸術祭が開かれている。先日初めて足を運んでみた。

到着して最初に目に入ったのは、山に囲まれた校庭に木材を組み合わせて建てられたジャングルジム。そこから四方に張られたロープと三角の旗には、たくさんの手形がペイントされていた。足元を見ると、生き物のように大小のオブジェが横たわっている。(二階のベランダから見下ろすと、また違った見え方に。)

校舎に入ると、あまり人の気配がない。静寂の中で、各教室にある作品の存在感に圧倒された。イベントと合わせて会期中一番賑わった日で、一日200人が訪れたのだという。 音楽室をすべて使って展示していた版画作品の作者は、大阪在住の若い女性だった。この展示のために一ヶ月この地域に滞在して制作したらしい。作品に対する想いや将来のことをうかがうと、彼女はどんどん語ってくれた。 部屋に入ったときの緊張感はすぐに薄れ、今は使われていないこの小学校の建物のデザインがいかに素敵かとか、山の中の暮らしについて二人で話に花を咲かせた。どちらかというと、私より相手の方が多くしゃべった。初対面の芸術家との対話は大きく広がり、楽しかった。 そして次第に私は、自分が鏡になったような不思議な感覚を覚えた。

私に、彼女が映っている。

人から話を聴くというのはこういうことなのだろうかと思った。他者が自分の鏡になると感じたことはあったが、逆は初めてだった。 できる限り透明になりたい。相手の姿がしっかり綺麗に映るように。だんだん映り込んでいく自分の在り方を見て、相手がハッと気づけるように。

投稿@PAO

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