金田一耕助シリーズを一冊も読んだことがなかった。

今年の夏、吉島豊録先生が「家族アセスメントの第一人者は、金田一耕助だと思う。」とfacebookに投稿されてから気になって仕方がない。「八つ墓村」など有名な映画の宣伝文句が印象に残っているくらいで、それが横溝正史氏が書いた金田一名探偵が出てくる小説だということは理解していなかった。
推理小説はおどろおどろしくてちょっと苦手。でも読みたい!そんなギザギザな気持ちで図書館に出かけた。
「八つ墓村」「犬神家の一族」「獄門島」
今日までにこの三作品を読み終えた。家族アセスメントの研修を受けた後に手にした「獄門島」は、ジェノグラムを書きながら読み進めた。(登場人物の関係性を可視化すると、想像以上に物語がわかりやすかった!)

このシリーズを読みながら強く感じたことを書いてみたい。
まず、人が語った言葉は少し離れた正面に、真実が映し出されるのではないかということ。だから誰かと向かい合って会話していると後ろを振り返りたくなる。自分をすり抜けてそこに存在する言葉を確かめるためには、その人が何を大切にしているのかを知らなければならない。どこを見つめてしゃべっているのか。
金田一さんは、なにげないつぶやきとか、人の動きの違和感をキャッチするのがとても上手い。常に頭の中に「なぜ?」という問いを抱えながら、丁寧に一つ一つ事実確認して仮説を立てていくのである。

この本を読んだせいかどうかわからないが、最近利用者さんやご家族との会話の中で、心に引っかかる言葉やなにげない表情などを文字にして残すようになった。後から他の情報と関連づけられたときは、とても嬉しくなる。金田一さんのように気づける人になりたいし、自分の価値観や先入観を一切白紙にして、他者のそれらを場面に応じて組み込んでいける柔らかい頭が欲しい。

次は「本陣殺人事件」を読んでみようかな。
一句。
本片手 秋の夜長に ジェノグラム

 

(投稿者@PAO)