遡及推論
「原因」と「結果」では、「原因」の方が時間的には古い情報である。
つまり、時間は「原因」から「結果」へと流れている。
介護支援専門員等が出会うのは、利用者の現状が先。
つまり、「結果」の方に先にに出会うことが圧倒的に多いだろう。
「結果」に出会った介護支援専門員等は、出会った「結果」を作り出した「原因」は何だろうと考えていく。
時間的には新しい「結果」から時間的に古い「原因」へと推論をしていく。
このことを遡及推論という。
では、今現在―たった今から何かをしようとする場合の推論はどうなのか?
実は、何かをした結果を過去にも経験していて、何かをし終わったその状況をありありと思い浮かべることができて初めて「しようとする何か」は成就する。
ダーツが的に当たるのは、当たった状況を思い浮かべることができるから。
投げる感触も、それが描く放物線も、当たった時の音も知っているからこそ投じることができるのだ。
何かをし終わった状況を「未来完了」という。
「現在」と「未来完了」とでは、「現在」の方が時間的に古い。
知っている「未来完了」の方が時間的には(未来のことなので当然)新しい。
したがって、今現在―たった今から何かをしようとする時の推論も遡及推論であると言える。
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