わが立つそま
【わが立つそま】
「阿耨多羅三藐三菩提の仏たち 我が立つ杣に冥加あらせ給へ」 (新古今和歌集 最澄)
「そま」は「杣」と書き、滑り落ちそうな山の斜面にある、ほんの少し平になった場所をさす。ほんのひととき安心して休める所。
「わが立つそま」は、自分が立ちうる場所、自分が立っている場所を意味する。
最澄は、自らが立つ杣に、仏の恵みをお願いします、と祈り感謝の想いを歌に込めている。
人生のなかで、自分の立ちうる立場は、そうどこにでもあるわけではない。
志ある友は、友であることが誇らしい気持ちになる。
「わが立つそま」を思いながら宵の月を眺めてる。
@マーブル