日々是好日
先日慣れない土地で迷子になった。
スマホの地図を頼りに歩くが、いっこうに目的地にたどり着けない。電池も残り少なくなり、自分がどこにいるのかもわからなくなると、ものすごい焦りや不安が押し寄せてくる。今更ながら自分は方向音痴だったのだと自覚する。
そのうちに「このまま帰ろうか」という、あきらめの気持ちが顔を出す。いやいや、待て。頑張れ、自分!と励ますのは、はるか遠い昔、10歳の私である。当時小学校4年生だった。クラスの仲が良く、ある日家族ぐるみで自主遠足に出かけることになった。母と弟妹と一緒に駅の集合場所で待つ。ところが、約束の時間を過ぎても誰も来ない。どうやら改札口を間違えていたようだが、携帯電話がない時代である。連絡がとれないまま途方に暮れていた。すると母が、今から自分たちだけで遠足先に行くと言う。私は驚いた。子どもにはそれは、とてつもない冒険に感じられた。行き先は何処かの山だったように思う。母は、行き方を知っているのか。たどり着けるのかとドキドキした。
そんな不安だった気持ちが道中で、なるようになれという落ち着きに変わっていく。そして見知らぬ土地のバスの中、乗り込んできた人の中によく知っている担任の先生の顔を見つけたときの喜びを、私は何十年経った今でも忘れることができない。結局私たちは一緒に行くはずだったクラスメイトと先生に合流することができ、現地で楽しくお弁当を食べることができたのだ。
母は私に「あきらめない」ということを、言葉ではなく行動で教えてくれたのだった。
「あの角を曲がったらきっといいことがある。」 今はそう思いながら毎日を生きている。迷ってもいいのだ。行きたい場所があるなら、歩みを止めずに先に進むしかない。ところで先日迷子になって、何が一番つらかったかといえば、自分がいる場所がわからなくなることだった。まず、自分の立ち位置の把握。 「あなたは今、ここにいますよ。」 もし、誰かがこう声をかけてくれたら、どんなに心強いだろう。自分で自分がわからなくなったとき、「今はこういう状況でこの場所にいて、この先はここに行きたいんですね。」と明らかにしてもらえたら、きっと自分の足で歩いていけるような気がする。 道はいくらでもある。 最短距離を進んでもいいし 歩きやすい道を行くのもいい。 遠回りだってあり、だ。 選ぶのは自分。 今ここからあの場所まで、「あきらめない」という気持ちを抱えて一歩を踏み出す。
投稿 PAO
ストンと気持ちが楽になった感を受けました。
急ぎ足で焦りながら、心ここに在らず…
それでも日々頑張れ頑張れと言い聞かせ無理してた自分。
自分がどうありたいか、どこに向かいたいか、立ち位置をしっかり見定め、遠回りでも自分のペースで人生歩んで行きたいと思いました。
アローチャートから学ぶものが多々あります。ありがとうございます。
下地さん こちらこそコメントをいただき、ありがとうございます。嬉しかったです。
アローチャートを描くことで、気持ちの整理もできますし、めざすべき方向もはっきりしますよね。わかる、ということがこんなに人を安心させるのかと毎日実感しています。(^-^)
はい、こちらこそありがとうございます。
「わかる」ということで「安心」が得られるのですから、その手法が得られるのでしたら学ばなければもったいないですよね。
ということで、明日基礎編開催です♪