◆新連載！　『日日是好日』

たまに電車に乗ると、車内で様々な年齢層の人に出会う。学生、サラリーマン、小さな子どもを連れたお母さん。それぞれの服装や身につけているものから、その人が今日どのような一日を過ごそうとしているのか、また普段の生活の様子などを勝手ながら想像してみることがある。長い人生の中で、今日はたまたま私がその場に居合わせた偶然。目的の駅に着いたら、もう生涯会うことはないかもしれない。いや、もしかしたらどこかでまたお目にかかって、言葉を交わすことがあるかもしれない。疲れて眠り込んでいる人も、暗い表情をしている人も、どんな人でも「生きている」というフィルターを通すと輝いている。二度と戻らないこの瞬間を、命の炎を燃やしながら輝き続けている。

「一年生になったら一年生になったら友達100人できるかな」小学生の頃、この歌を聞いたからかどうか忘れてしまったが、一生のうちでどのくらいの人と友達になれるのだろうと考えたことがある。地球上にいる人、出会うことができる人、数で表すと意外と少ないことに驚いた記憶がある。どんなに長生きして頑張ってみても、出会って仲良くなれる人の数は限られている、、、。どうやら、幼い頃はできるだけたくさんの出会いを求めていたようだ。大人になった今は、Facebookで友達を爆発的に増やしたいとは思わないが、素晴らしい出会いや素敵な生き方をしている人とのコミュニケーションにはワクワクする。世の中はなんて広いのだろう。まだ知らないことがどれだけあることか。

人間に興味を持つ。私の仕事の原点である。目の前のあの人は何を思い、どんなことを楽しみに暮らしているのか。家族は。仕事は。好きなものは。偶然にも出会えた人の生活を支えようと専門職としてかかわるとき、まずその偶然が生まれた今日に感謝するのだ。

投稿　＠ＰＡＯ