上の田んぼと下の田んぼ
夫は、
楽しい人だったよ。
おもしろいこと言うてね。
出会うたのは私の原爆の傷が治って外に出られるようになってから、田んぼで。
うちが上の田んぼ。
主人が下の田んぼ。
時のあいさつをしたのが始まり。
どっちからあいさつしたかって?
向こうが先よ、男じゃけえね。
お寺の屋根専門の職人だったんじゃけど
ええ人も病気には勝てんね。
去年亡くなったんよ。
遠い遠い昔話と今の物語が交錯するご利用者の語りは深くてあたたかくて切ない。
(投稿者@marua)