雪明りの光は矢の如く2
雪あかりの光は矢のごとく2
なぜこんなにもこの寺子屋には人が集まるのだろう。
秀れた弓取りがいるからか。
伝道師をこの地に呼び込み、自身も研鑽を積み続け、本家からも一目置かれる弓取り。
それだけでこれだけの人が集まるだろうか。
否。
あれは500年程前だろうか。
尾張の大うつけと言われるカリスマに会ったがそれとも違う。今までに出会ったことない人物。賑やかに終わった寺子屋の4日前。
入念な準備をする時間も笑顔が絶えず、集まる弓取りの卵たちも笑顔になる。
この人物の持つあたたかさ、真っ直ぐさ、無邪気さに惹かれるのだろう。
今日に戻ろう。
この地だけでなく、近くとは言えない隣接地からも寺子屋に集まる弓取りの卵。この人物に惹かれた者たちがいずれ光る矢を携えた弓を引くのはまだ少し先の話。
しばし、時間を共にしようと思う。
(心真)