日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会レポート その1

更新しなきゃと思いつつ、油断をしていたら、日が回ってしまいました・・・(汗)

しかし、蒸し暑いですね。昨日、梅雨明けした関東はものすごく暑いです。

さて、そんな最中、さる7月19日~20日に新潟県三条市で開催された「日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会」に参加した役員より参加レポートが届きましたよ。

さて、どんなヒントがそこには落ちていたのでしょうか。


『日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会(新潟大会)にて・・・』

平成26年7月29日・30日の二日間、日本ケアマネジメント学会第13回研究大会が新潟県の燕三条にて開催されました。大会テーマは「すべての人たちのためのケアマネジメント~ソーシャルワークの視点から~」です。「ソーシャルワークの視点から?ふむふむ」ということで、今年も参加してきました。

第一日目午前中は、大会長である新潟医療福祉大学丸田秋男副学長の大会長講演がありました。ソーシャルワーカーとして、家族介護者としてという双方のお立場からの講演。

ソーシャルワーク実践の礎として、メアリー.E.リッチモンドの思想を紹介され、実践者としての評価は、利用者にとって最善の社会関係を発見し、保証しているか、それが「そのひとらしく生きる」ことを保証することであると話され、ケアマネジメント従事者として、制度に組み込まれた方法を用いること自体を目的としたり、サービス提供(利用)の手続きにすり替えていないかと問題提起をされ、あらためてリッチモンドの思想やソーシャルワークの視点に関心を振り向け、自らのアイデンティティの問い直しをしてほしいというメッセージを発信されました。

家族介護者としての視点からも、「我々はどういう存在であってほしいのか」ということを問われているメッセージのようでもありました。ケアマネジャーとして「リッチモンドに帰れ」ですね。

午後は記念講演とシンポジウムⅠ・Ⅱ、特別講演と市民公開講座と盛りだくさんです。記念講演は、日本社会事業大学大橋謙策名誉教授による「地域でその人らしく生活していく~それを支えるために~」。日本の地域福祉の先達である大橋先生からは「地域でその人らしく生活していく」ということを社会福祉における「自立」という考え方の見直しとして、「地域自立生活支援」ということについて語られた。個人的な印象としては、今大会で一番熱い語りのような気もしました。(うーん、頑張れケアマネ学会!)

憲法13条の幸福追求権と、社会福祉法に基づく社会福祉を必要とする人(「対象者」という呼び方は上下関係をつけていると非難されていましたね)への人間性の尊重や個人の尊厳を踏まえた地域自立生活支援への展開として自立というものを以下の6つの要素から語られました。

『1.労働的・経済的自立 2.精神的・文化的自立 3.生活技術的・家政管理的自立 4.身体的・健康的自立 5.社会関係的・人間関係的自立 6.政治的・契約的自立』

また、ソーシャルサポートネットワークや、ICFでの「社会生活モデル」などにも触れられていました。

ソーシャルワークとケアマネジメントの関係については、喧々諤々としての意見もあろうことかと思いますが、今更ながらに「屋根の下のケア」から「社会生活におけるケア」へと視点を広げていくことを求められていると感じました。もしかすると介護保険制度におけるソーシャルワークを含め、ケアマネジャーはこの辺りをきちんと学び直す時が来ているように思いますね。(とっくに来ているという声も聞こえてきそうですが・・・。)

《執筆:役員 坂本 文典》


さて、今日は、ここまで。
続きをお楽しみに。

(広報部@いしだ)

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