日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会レポート その2

昨日のゲリラ豪雨にもビックリですが、今日の蒸し暑さにもビックリな関東地方。。。

すっかりとろけそうですが、日本ケアマネジメント学会 第13回研究大会のレポートの続きをお届けします。

今回は、19日午後のプログラムからです。


午後のシンポジウムⅠ「家族支援」がテーマであり、「支援が必要な方が複数いる家族への対応~それぞれの専門職からのアプローチ」ということで、丸田副学長を座長に、シンポジストとして、遁所直樹氏(社会福祉法人自立生活福祉会事務局長)、岡部正文氏(新潟県精神保健福祉士協会前会長)、成田すみれ氏(特定非営利活動法人神奈川県介護支援専門員協会理事長)、井上貴子氏(三条市福祉保健部福祉課生活支援係主任)の4名が登壇。シンポジウムⅡでは「人材育成」をテーマに、「人材育成の効果的な方法とポイント」について、服部万里子氏(日本ケアマネジメント学会副理事長)を座長に、シンポジストとして白木裕子氏(株式会社フジケア取締役副社長)、福富昌城氏(花園大学社会福祉学部社会福祉学科教授)、前沢政次氏(北海道大学名誉教授)の3名が登壇されました。そして、特別講演は、「プロのケアマネとは」をテーマに、国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授でした。

わたしは特別講演を拝聴。シンポジウムと特別講演の時間が重複していたためにシンポジウムの内容をほとんど聞くことができませんでした。

ということで、特別講演について少々報告を。いつものことながら舌鋒鋭くケアマネジメントとは何だと問いかけておられました。アメリカの「Direct Social Work Practice」という教科書におけるケースマネジメント(アメリカですから)についての定義を紹介され、「課題解決をするのがケアマネジメントであり、ケアマネジャーは課題を解決しているのか!?」と。高齢者ケアにおける課題はADLの自立が失われたことによるものが多く、IADLはこれを回復した後に求められる課題であると話され、「自立型のケアマネジメント」を繰り返されていました。このままではケアマネジャーは不要とされるという警鐘として、「要支援者への食事つくりはケアマネジメントではない」「「軽度者」を甘く見ているからケアマネジャーは不要だと言われる」のだとも話されておりました。一見、医学モデルのようにも感じられたのですが、高齢者を対象とした高齢者ケアとしての「自立志向のアセスメント」ができていないのではないかとういう問いかけに、「何が原因で生活に支障が出ているのか」それを解決するために「何をするのか」ということを軽んじていないかという根本的な問いかけを改めて強くされているように感じました。

記念講演の大橋先生の「自立の6つの要素」とも絡めて、今回は「自立とはなんだ?」「我々は利用者にとってどのような存在であるべきか」という、目指すべきものをきちんととらえる力が必要だということを考えさせられました。

市民公開講座は、拉致被害者として、24年間の監禁生活をされた蓮池薫さんの「拉致という人権侵害~さまざまな家族への思い~」でした。自分は一切悪いことはしていないのに「命以外のすべてを奪われた」と。しかしその中でも「夢と家族の絆を奪われたことが最もつらかった」と話されていました。これらを踏みにじるものほど残酷な人権侵害はないという話は重くのしかかりました。人には様々なことを考え、選び、求め、夢を持つことが許されるはずであり、それは人を強くするのだという話は、「支援」という仕事を生業にする者にとって忘れてはいけないことだと痛感した次第です。

《執筆:役員 坂本 文典》


 

今日はここまで。
次回は、二日目のレポートです。お楽しみに。

(広報部@いしだ)

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