ショートストーリー~「女は化粧」~
あの日、
立ち去ろうとした私の手をつかんで
彼はこう言った。
「もう一度、やり直せないか。」
その手を振り払い、私は走った。
駅の改札を通り、
ふと鏡を見ると
涙でボロボロになった顔が映っていた。
“あ・・・”
急いでトイレに駆け込み化粧を直した。
この時すでに、
彼のことなど忘れていた。
(おしまい)
※ストーリーはフィクションです。
By Dee