雪あかりの光は矢のごとく3
2015年4月17日
これが寺子屋の現状と言えるだろう。
寺子屋の主が不在、筆頭の弓取りも不在。
しかし次の準備は着々と進む。
暖かい芋団子汁が身体と心をホッとさせる。
それぞれが無くてはならない存在に育つ、帰る場所になっている。
主はつくづく変わった漢である。
弓取りの寺子屋に関わらず、今度は絵を描くと笑顔で話す。
屈託のない笑顔に皆惹かれるのだろう。
《思考を視覚化する》
さらに視覚化したものを絵にしたい言うのだ。
真っ直ぐな気持ちに応えようと知恵を出し、形にしていく。
二人で弓を引き合うのはかくも楽しいものか。
200年程前であろうか、様々な富士を描いた北斎。
三十六景の力強い神奈川沖浪裏と色鮮やかなな凱風快晴。
寺子屋で描いた絵はそれを合わせたようなものになるであろう。
かの者の富士に対する想いと同じように強い寺子屋の弓を取る想い。
私の好きな甲州伊沢暁のような絵になるだろうか。
次は描き上げた絵に想いを馳せよう。
(心真)