礎
古民家に住むのが夢だった
正確に言うと「古民家風」の家と言った方が正しい
山の麓に縁あって古民家に住むことになった
虫対策をしたりイノシシから身を守るのは
想定以上に大変だが
その大変さを越えて毎日癒しを得ている
山間を流れる川の音を聞きながら
縁側から見える緑だけの風景
黒い柱
木の建具
かつてここで営まれていた家族の声までも聞こえて来るような気がする
子どもの頃が甦ってきて
祖父に背負われて嗅いだ黒い大きなマントの匂いを思い出したり
そうか やっぱり私は「人の暮らし」が好きなんだなと気づいたり
古民家は色んなことを教えてくれている
しばらくは天井や床や柱をみがく暮らしが続きそうだ
ゆっくりゆっくり古民家との対話を楽しもうと思う
(@まるあ)