第1回 アローチャート学会 滋賀大会~gitanistさんブログより~
本日は、gitanistさんのブログ記事をご本人了承のもと、そのまま転載します。あ、少しだけ修正しました(;^◇^;)ゝ
久々に更新されたようですが、巷ではブログ再開を望む声も聞かれています(本人談)
ワタクシとしては病態関連図を変態関連図として彼自身を探ってみたい衝動に駆られておりますが(爆)
では、折れた筆を復活させた渾身の作をどうぞ( ̄∇ ̄)/
アローチャートとは?
簡単に言うと、ケアマネジャーが行うケアマネジメント業務の中で核となる「情報分析」の思考過程を「見える化」したものです。但し、活用の範囲はケアマネジメントに留まるものではなく、対人援助職やマネジメント職など、様々な分野に活かすことが可能です。
情報分析の思考過程を見える化、と言っても、イメージが湧かないかもしれません。
例えばですが、
99×9=891
簡単な問題ですが、計算機を使うか、元々暗記している以外には、すぐにイコールで答えが出るわけではないと思います。ある人は、「100×9-9」という暗算をするでしょうし、ある人は「99×10-99」という暗算かもしれません。一般的には筆算ですかね?答えを導き出すだけなら、「99+99+99+・・・」というのもアリですね。
何が言いたいかというと、「今の居宅サービス計画書では、なぜそのニーズが導き出されたか、なぜその目標設定になるのか、が見えないので、(これは書き方の問題でなく、そもそもそういう構造の書式ではない)あたかも問題とサービスが直結しているようにも取られ、アセスメントが不十分などという、謂れのない言いがかりをつけられる。もちろん、利用者もよくわからない書類、サービスを利用するための書類、くらいにしか思われず、サービス事業者も、ケアプランがあることが重要で、中身にはさほど関心を抱かない、といったように、ケアプランとしての意味を成さない現状がある。」ので、もっとケアマネがどのような情報収集をし、それをどのように整理・分析し、どうしてこのようなケアプランになったのか、を理解してもらう必要がある、そのことにより、その利用者さん、取り巻く現状、何を行っていくのかを、もっと共有できるようにしなければならない、ということですね。
そのためには、「見える化」が有効だということです。また、先の99×9=891ですが、例えば、99×9=88という答えを出したとしたらどうでしょう?間違っていることはわかっても、なぜ間違ったのか、どこを間違えたのかがわかりませんね。これも、「見える化」をしておけば、どこに間違いがあるのかが目に見えるので、修正もしやすいですね。
先の99×9=891ですが、ケアマネで例えて言うと、「日中独居、歩行不安定=デイサービス」とか、そんな感じでしょうか。これがちゃんとしたアセスメントを経てのことでないと、「○○の一つ覚え」かもしれません。ですが、普通のケアマネであれば、もっと様々な情報を検討し、そこに行きついているはずなんです。それを、ちゃんと見せましょう、ということです。
また、いわゆる「アセスメント」ですが、ただの情報収集になっていないか?ということも問題です。集めた情報を整理し、関連付けして、問題の背景を探り、今後起こりうる問題も検討する。そして、解決すべき課題を把握して、解決のための道筋をつける。これを、目に見える形にしたものが、アローチャートです。
アローチャートと似通っているものとして、病態関連図というものがあります。(※webから拾ったものですが、問題があるようでしたら削除いたしますので、その旨コメントをお願いいたします)
この図は、例えば「栄養障害」というものが問題として表面化しているとして、その要因として、「摂取量低下・同化低下・異化亢進」というものが挙がっています。さらに、それに対する要因も関連付けされていますね。そして、「栄養障害」の先にある「感染症」は、起こりうるリスクでしょうか。
この図の一部を切り取って解説すると、栄養障害を起こしている要因として食事の摂取量低下があり、食事量低下の要因としては食事制限と食欲不振がある、ということになります。そうすると、食事制限は病状管理の上で必要でしょうし、食欲不振も疾病由来によるものなので、自分たちのケアでは手を出し切れません。ですので、少しでも食事を摂っていただくために、食事そのものの工夫を考えることになるでしょう。
ですが、この背景要因が違うものであれば、当然アプローチも変わるわけです。例えば、食事摂取量低下の要因として、口腔内のトラブルがあったとしたらどうでしょう?歯科に繋いだり、口腔ケアを取り入れたり見直したり、というアプローチになるかもしれません。
このような感じで、アセスメントを見える形にする、というわけですね。そして、この病態関連図は「客観的情報」のみを取り扱うのですが、アローチャートでは「主観的情報」も取り扱います。対人援助ですから、その方がどういった価値・感情・考えを持っているかは、その人を理解し、支援を展開していく上でも非常に重要であるからです。
なぜ、gitanistがアローチャートに取り組んでいるのか?
昨年の某所での研究発表大会の抄録に記したものを抜粋すると・・・・
昨今、国の審議会等々でケアマネジャーに対する風当たりは厳しさを増すばかりです。やれ「アセスメントが十分でない」「医療の知識が足りない」「御用聞きケアマネ」etc・・・、そして自分の仕事に自信や誇りを持つことが難しくなっています。
なぜ自信や誇りを持つことが難しくなっているのか?それは、ケアマネジメント業務で核となる「情報分析(アセスメント)」が、多くのケアマネジャーの場合、「頭の中で」行われるものであり、故に「目に見えない」ので、「よくわからないもの」になってしまっていることに要因があるのではないか、と考えられます。
白澤政和教授がよく仰っている「ケアマネジャーのアセスメントはブラックボックス」とは正にこのことを指しており、ブラックボックスであるが故に、「他者に説明できない」「自分にも説明ができない」「したがって、共有できない」「故に、この部分の技術を獲得できないし、上達もしない」ために自信や誇りを持ちづらくなっている、という現状を打破し、利用者のよりよい生活に資するケアプランを、根拠を持って説明できる形で提示できるよう・・・
うん、長くてよくわからんな(爆
まぁ、「ケアマネジャーとして、アセスメント能力を高め、利用者さんに価値ある支援を提供し、自分の仕事に自信と誇りを持つ」ためでしょうか。
アローチャート学会in滋賀
そんなアローチャートですが、 研究会が発足しました。
そして、プレ学会ともいうべき、昨年横浜で開催されたARROW CHART MEETINGに続いて、記念すべき第1回の学会が、滋賀で開催されます。学会概要はコチラ。
自分がこの学会に参加するのは、もちろん自己研鑽のためでもあるのですが、それが第一ではありません。この学会は、まだ知る人ぞ知るという小さな小さなものですし、参加ポイントを稼いで任用資格の更新をするとか、今の業務が楽になる秘訣とか、そういったものではありません。だからこそ、純粋に利用者さんへのよりよい支援のために学びたい、という人たちが集まるものだと思っています。そういう、志を同じくした人と出会える、一緒に学ぶことができる、ということが、何よりの参加動機であるわけです。
ということで、まだまだ参加者絶賛募集中のようですので、自分の仕事にイマイチ自信が持てないという方や、もっとアセスメント能力を向上したいという方、生gitanistに会いたいという方も、ぜひ一緒に参加しませんか?
ケアマネジャーとして、アセスメント能力を向上し、自信と誇りを取り戻すために。アローチャートで根拠と利用者さんの未来を示しましょう。
元記事はこちらです。
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「 第1回 アローチャート学会 滋賀大会 」
学会への参加申込みは9月中がお得です♪
(広報部@丸刈りった)