日々是好日

11039431_655246197936886_2143563410_n
マンガ「デスノート」の世界では、人間の頭の上に寿命が表示され、死神はそれが見えることになっている。そんな恐ろしいものはあえて見えなくてもいいが、もっと楽しいもの、、、例えば、その人が大切にしているものが頭上に表示されるというのはどうだろう。高い能力を持つケアマネジャーはそれを見ることができる、とか。誰でも守りたいものがあって、生きて行く上でそれは強みになっているはずである。

介護保険施設に入居されていたあの人は、亡くなったご主人が丹精込めて育てた梅の木を大事にしていた。年に数回しか帰れなくなったその人の代わりに、私は定期的に梅の開花状況を見に行った。満開になると一緒に車で出かけ、体力がなくなると写真を撮って眺めてもらった。梅の花を見つめるその先に、ご主人との思い出がたくさんあったのだろう。「もうすぐ咲きますねえ。」その会話をするときは、いつも柔らかな表情になった。

普段意識していないと、自分が何を大切にしているのか気がつかない場合もある。 「私には何もないよ。」と言う人もいるかもしれない。その人の頭の上には、今にも消え入りそうなかすれた文字が浮かんでいるのだ。確かにそこにあるのに、なかなか読むことができない。 頭の上から文字が消えてしまい、泣いている人がいる。一緒に新しい希望を探そうとまわりをキョロキョロ見渡し、大切なもの候補を当てはめようとするけど、自分で探したものじゃないと上手く表示されない。

月日は流れる。目に映る景色も変わっていく。大切なものを見つけられた誰かも、別のものと交換した誰かも、文字がより明るく強くなったあの人も、皆この街にいる。言葉をかけられ、何かを感じてまた言葉を返す。人と人が関係性をつくり、相手に映る自分を実感する。何もしなくてもお腹が空いて、生きてる証拠だと思わず笑う。

そして、ある日ふと気がつくのだ。

私自身、自分の頭の上にある言葉に。

投稿者@PAO

アローチャート研究会 会員募集

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です