新婦の父

2015-06-19 11.39.25

8月は東京に住む長女の結婚式。

71歳の父。
10㎏痩せた体に合わせるために
大切にとっておいた礼服をリフォームしたい。
妻は亡くなった。
新婦の父として立派に努めなければ。
ドキドキするよ。
ベルトは新しいものを買いたい。
入院前に壊れた時計も新調したい。

長男に街へ連れて行ってほしいのだけれど
失語症のために伝わらない。

父としての計画も、思いも、伝わらない。
もどかしいまま数日が過ぎる。

親子でもつながらないことがある。
そんなとき、そっと控えていた他人の出番なのかもしれない。
お父さんの思いを取り次ぎ、伝える。
親子の思いがつながる。

試着室の鏡に映った新婦の父は
「ご利用者」ではなく、「父」の姿だった。
8月には一足早く、
式場の新婦の父が浮かんで見えて、幸せのおすそ分けを頂いた。

 

(投稿者@marua)

第2回アローチャート学会に参加希望の方は、
こちらをクリック!!
↓↓↓
神奈川大会フライヤー01

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

前の記事

地域のなかで【6】

次の記事

Q:土