日々是好日
「大嫌い!」……「だけど大好き!」
見事なアンビバレントだと思った。 少し前のNHK連続テレビ小説「まれ」で、ヒロインに向かって幼なじみが、泣きながらそう叫んだとき。
二人は友達でありながら仲間内の同じ人を好きになった。だからお互いに素直になれない。故郷を離れヒロインの少女は、ケーキ職人になる夢を一歩一歩現実に近づけていく。一方、もう一人は都会へ出たものの目標が定まらず、挫折を繰り返した。 妬みからか相手の足を引っ張ろうと仕掛けたことが、逆に成長の機会を与えてしまったり、二人は複雑にそれぞれの生き方に影響し合う。
人生にはライバルがいた方がいい。
近頃よく思うことである。
夏の高校野球も然り、若者は競う相手を見つけやすい。頑張っていることが、目に見える結果になりやすい環境にいるから。勉強や仕事、趣味に恋愛。比べられるし、比べたがる。 ところが、歳とともに人は人、自分は自分という考え方が浸透し、だんだんと競わなくなってきたような気がする。ライバルがいたのかどうかも忘れてしまった。もしかしたら、あの人には負けたくないと思えるような人がいなくなったのかもしれない。
これは寂しいことではないか。自分を高めていけるような、よきライバルを探さなくては。「今のままでいいや。」という考えは捨てよう。相手が向上心を持っていないと自分も成長できないから、相手の人生も応援しながら。
80〜90歳になったときに、「あの人がいたから自分は頑張れた。」と、振り返れる相手がいて、気がつくと横を、あるいは前を、時にはすぐ後ろを、同じようなスピードで走ってくれている。性格や価値観はまるっきり違っていた方がいい。新鮮な驚きや緊張感を感じられるように。
お互いに歳を重ねて、一緒に好きな飲み物を飲みながら交わす会話はどんなだろう。興味があるので、ライバルができたら相手を大事にしながら、できるだけ長生きをしようと思う。
投稿者@PAO