地域のなかで【14】
当町では防災無線というものが各戸に貸与されており、普段は朝の8時や12時、17時にはチャイムなどが流されている。
以前は冠婚葬祭に関わる放送もされていたが、今はその役目はケーブルテレビ(CATV)に代わり、放送されることはなくなった。
ということは、CATVに加入していなければ知る手段がなくなったわけであるが、加入率がほぼ100%であるため、その心配は大きくないようだ。
そのため、ほとんどの放送が定刻のチャイムか何らかの団体からのお知らせである。
そして、チャイムをはじめとする、なんらかの放送が流れる時には、数秒前に
「ジジジ……」という雑音が入るため、チャイムや音声が流れる前に
「お、もう8時か…」や「もう昼かぁ…」、「◯△◯からの放送か。」と気づくことが多い。
たまに、キリの良い時間ではない時に「ジジジ」音が聞こえると、
「おや!?」と思うわけであるが、
日中は、熊の目撃情報だったりするわけで…(;-ω-)ゞ
…小学生が熊よけの鈴をランドセルに付けているのは、飾りではなかったりします。
仕事をしていると、防災無線を聞く機会のほとんどが夜間から朝にかけてであり、家でくつろいでいる時間帯である。
この時間帯は、熊の目撃もかなり少ないため、定刻の無線以外が放送されることはほとんどない。
ただ、この時間帯に、「ジジジ…」とくると一瞬身構える。
それは何故か?
「ジジジ………ウゥーウゥー、火災発生・火災発生…」
と流れることがある。
消防団へ出動要請を知らせる緊急無線である。
これは夜中だろうが何時だろうが関係なく流れるため、団員は放送の指示のもと出動準備をする。
以前は「大変だなぁ…」と思っていたが、団員となってからは緊張の瞬間である。
他の隊への出動要請であっても、規模が大きくなれば私たちの隊へも追加要請があるため、鎮火を知らせる放送が流れるまでは、気をぬくことができない。
ルーティン化されている無線だけに、イレギュラーな放送は心臓に悪い。
ご飯を食べていても、「ジジジ……」と聞こえると身構えてしまうわけである。
今年は、幸いにも火災の発生はないため、残りの2ヶ月ちょっとをこのまま過ごすことができれば安心である。
昔は、本当に多くの情報を知らせてくれていた防災無線であるが、その機能のほとんどがCATVや防災メールへと移行されてきた。
とくに、
「おっ!誰々が結婚したな!」
「へぇ、産まれたんだぁ!」
「えっ?あの人が亡くなったの?」
という、『人(人生)』に関することを無線で知っていた頃から比べると、CATVの画面でしか確認ができない今は、なんだか寂しい。
普段から見る癖をつけていないとCATVの放送をスルーしてしまっていたりして、知らないことも実際にある。
様々な機能が効率化されていくことで、何か別のものを失っているように感じてしまう。
今日も無線は12時を教えてくれた。
さて、お昼ご飯にしようかな。
広報部@若頭