春の雨
「よう晴れとるね。こんなに暑けりゃ家に帰れんね。」
「雨が降りよるね。こんなに降りよったらビッシャになるね。」
「どうしたらいいかね…。」
帰りたいけれど帰れない。
帰れない理由作りをしながら息子さんの迎えだけを今日も待ち続ける。
「ここで一緒に息子さんのお迎えを待ちましょうか。」
「そうしようかね。」
安心に辿り着く会話の終着点は、いつも決まっている。
けれど、毎回毎回、そこに至る対話の道筋は違う。
共感なんておこがましくてできない。
ただ、聴くだけ。
今日も、ゆっくりゆっくり、一緒の舟に乗って揺れるだけ。
(投稿者@marua)
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