地域のなかで【41】
10月に入り、毎週末どこかの神社で秋祭りが執り行われている。
夜になると聞こえてくる神楽囃子に興奮し、親の手を引いて急いだ頃が懐かしい。
私が子供の頃は、夕暮れから始まる神楽は夜通し、空がうっすらと明るくなるまで舞われていた。
毛布などを持っていき、神楽囃子を子守唄に子供達が寝るのも祭りの一つの風景であった。
最近はそこまで長い時間を舞う祭りはほとんどない。
日が変わる頃に舞終わり、祭りの灯りも暗くなる。
お互いに仕事をし、普段は見かけることも少ない人とも顔を合わせて、一杯飲むもの秋祭り。
私の地域では、自治会の青年部により屋台を出す。
屋台と言っても、簡単な酒のつまみ程度。
青年部と言っても、私を含めた40前後〜60前後のオッサン。
毎年、飲みながら店の守りをするので、計算が合わなくなるのもご愛嬌。
小さな祭りであるし、屋台がなくても良いという声もある。
でも、屋台がないと人は出てこない。(数年間、屋台を中止していた時期があったが、子供は来ないし大人も来なかった。)
神楽があって、旧知の仲間と酒を飲み、数は少ないが子供が社の周りを走り回る。
そこにちょっと食べ物の香りがあるだけで、賑やかになる。
少子高齢化、人口減の地域では祭りの存続自体も課題で、将来、自分の孫を祭りに連れてくることができるかどうかはわからない。
来年は、唐揚げ、たこ焼き…メニューを考えるのも祭りを楽しむひと時。
そして、地域で生かされている自分を感じるひと時。
@若頭