小雪舞い来る

学生時代は電車を乗り継ぎ故郷に帰省していた。
雪は山を越えるごとに深くなる。
車窓に流れる家それぞれに「私」が住み、それぞれの「私」の「生活」が送られていることにいつも畏れにも似た不思議な感覚を持ったものだった。

久しぶりに雪を見た。
その感覚が甦る。
雪に接した「暮らし」とそれと同じ数だけある「私」。学生時代から数十年。
今の私は雪や車窓の景色を見ると、畏れや不思議さに加え、そのなかにある「私」に、いとおしさや慕わしさを伴うようになり、なんだかクラクラしている。
人様の人生にあの頃より多く触れているからかもしれない。    @まるあ

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