「やはず」5号 編集日記 1〜紙への思い
フリーペーパーが好きだった。
「ご自由にお取りください。」とショップに置かれている情報誌。
コンサートに行くともらえる、手作り感いっぱいのファンによる会報誌。
図書館に置いてある広報誌「かしこい消費者」を定期的にチェックしていたのは小学生の頃。そこには子ども心にも感じる何か、お得感があった。それを読むことで知らなかったことを知識として吸収できたから。何より記事が面白かった。憧れの文章は切り抜いて保存し、何度も繰り返し読んだ。
ファッションビルの情報誌には今流行りの商品や、様々な人が書いたコラムが紹介されており、写真やイラストも美しい。インターネットが普及してからはWEB版になり、紙媒体は以前に比べると少なくなったように思う。一ヶ月に一回だったり季節ごとに、自分の足で通り過ぎては一部手にとってカバンに入れる楽しみが減ったことは残念である。
即時性には劣るが、印刷物には印刷物の良さがある。紙の手触り。ページを指でめくるときの音。文字や絵、写真が目に映り頭の中に入るときの安心感。積み上げた本や無造作に置かれた情報誌は光を発しながら読ませるのではなく、光に照らされて読む。灯りとセットである。これもいいのかもしれない。
現在、広報誌「やはず」を作っている。
3月にはアローチャート研究会会員の皆様のポストに届けられる。紙だからできる表現は何だろうと考えながら、「読んでよかった!」と感じてもらえるようなものをめざしたい。
(投稿者 PAO)