ショートストーリー～「声」～

耳が遠くなった母は

会話が成り立たないためか

ほとんど喋らなくなった。

補聴器を使ってみたが

雑音が嫌なようで

全然使おうとしない。

何か言いたいことがある時は

紙に書いて渡してくる。

それにまた書いて応えている。

 

外出もしなくなった。

以前、一人で買い物に行き

他人にぶつかって怒られたそうだ。

周りの音が聞こえないので

気付かなかったようだが

相手はすごい剣幕だったらしい。

支払いでは、店員さんに

金額を言われても聞こえず、

レジの数字も見えずらいと。

 

テレビ、電話、新聞…

今まで好きだったものから

遠ざかっている。

 

話すこと自体が

出来なくなった訳ではないので、

何か声を出すようなことが

あれば良いと思うのだが…。

 

そう言えば、父が元気だった頃

二人でときどき

グランドゴルフをしてたなぁ。

広いところだと声も出しやすいかな？

いや、それよりも

カラオケのほうが声も出すし

マイクで話せば聞こえやすいのかな？

 

（おしまい）

※物語はフィクションです。

by Dee

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アローチャート研究会 第1回滋賀県支部大会の
お知らせです。平成28年1月24日（日）開催!!
（お陰様で定員となり、参加申込は終了致しました）
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