ショートストーリー~「80」~
気付けばこの歳になっていた。
かつては「80の手習い」と
他人に色々言ってはいたが、
いざ自分がなってみると
今さら何かを覚えよう
という気にはならない。
それどころか、毎日毎日
自分のことだけで精一杯なのだ。
夫に先立たれてから
食事は自分だけになったので、
作る量は少なくなったが
料理や片付けは面倒に思う。
おまけに
お茶碗がどこかに行ったり
お箸が一本なくなったり…。
その都度その都度
探している。
お薬の数もなぜか合わない。
買い物は電話で注文すれば
家まで届けてくれるので、
膝が痛い私には助かる。
しかしこの前、
頼んでもいないお米が届いた。
不思議に思ったが
折角持ってきてくれたので
そのまま受け取った。
米びつを見ると
少なくなっていたので
ちょうど良かった。
いや、待てよ。
やっぱり私が頼んだのかな?
(おしまい)
※物語はフィクションです。
by Dee
~アローチャート研究会 会員の皆さまへ~
会員登録した際の内容(住所、勤務先、連絡先等)に変更がありましたら、下記リンクから「会員情報変更届」をダウンロードし、変更内容を記入の上ご提出下さいますようお願い致します。
↓ ↓ ↓