ショートストーリー~「切手」~
高校を卒業して、
私は遠くの短大に進学し
彼は地元の会社に就職した。
遠距離にはなったが
今もお付き合いは続いている。
就職したばかりの彼は
仕事が忙しいのか
メールを送っても
ほとんど返信がない。
電話を掛けて声を聴きたいと
思うこともあるが、
もし仕事中だったら…
と考えて躊躇してしまう。
そんな彼から
一通の手紙が届いた。
便箋からは
仕事を覚えるのは大変だけど
やりがいを感じながら
精一杯がんばっている様子が
伝わってきた。
特徴のある文字は変わっていない。
私も手紙で返事を書いた。
元気そうで安心したこと
忘れられていなくて安心したこと
手紙を貰って
元気も貰ったこと
そして
地元のお祭りの切手が
貼られていることに気付いて…
胸がいっぱいになり
今すぐ帰りたくなったこと。
(おしまい)
※ストーリーはフィクションです。
by Dee