ショートストーリー~「探し物」~
祖父が他界してから
祖母ひとりでは寂しいだろうと
娘である私の母が
動物をプレゼントしようと思い付いた。
叔父(母の兄)に相談したところ
話し相手になってくれると
寂しくないのではないか、
ということになり
九官鳥をプレゼントした。
頭が良いのか
言葉を覚えるのが早い。
しかし、
祖母がいう言葉を繰り返すだけなので
会話にはなっていない。
それでも祖母は楽しそうである。
ある日遊びに行くと、
九官鳥が
「サイフ サイフ」
と言っている。
“今まで聞いたことがないなぁ…”
奥の部屋をのぞくと、祖母が
タンスを開けたり閉めたりしている。
どうしたのか聞いてみると、
「え?何が?」と、聞き返された。
「何かを探しているようだったけど…」
「あっ、そうそう!・・・・
え~っと、何だったっけ?」
「もしかして、サイフ?」
「あっ、そうそう!何で分かった?」
私は九官鳥を見た。
首を左右に振りながら
頭の良さをみせつけた。
「ナンデワカッタ? ナンデワカッタ?」
(おしまい)
※物語はフィクションです。
by Dee
注目!!