2017年3月17日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「電報」~ 都会で暮らしてみたかった。 それが大学に入った理由だ。 もちろん、勉強したいこともあり 就職にも有利かなという思いもあった。 しかし農家の長男である僕は、 跡を継ぐという宿命を背負って生まれた、 と言っても過言ではないだ […]
2017年2月15日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「初節句」~ 目に入れても痛くないほど… という例えのように 孫はかわいいものだ。 特に、会う人会う人が 「あらぁ、じいちゃんに似てるわねぇ。」 と言っているのを聞くと なぜだか嬉しくなってしまう。 初節句は数か月後。 こちらも“じぃ […]
2016年12月19日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「腕時計」~ 11歳の誕生日、 親からのプレゼントは腕時計だった。 初めて自分の腕時計を手にした僕は、 少し大人になったような気がした。 黒い革のバンドに丸い緑色の文字盤。 それこそ、時が経つのも忘れるほど眺めていた。 普段、学校へは […]
2016年11月28日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「在る」~ 一本の松があった。 それまで気にすることはなかったが、 ある日を境にその存在は 私の中で大きな意味を 持つようになった。 何十年もの間、 自然の脅威にさらされながらも 深く強く根を張り その場所に在り続けている。 大きな […]
2016年10月31日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「替え歌」~ 子供の頃は童謡や歌謡曲を よく替え歌にして歌っていた。 今思えば とてもつまらない歌詞なのだが、 なぜか当時はそれだけで 時間がつぶせるほど 盛り上がっていた。 時にはきつい表現も 入っていたりするが、 それも子供ならで […]
2016年10月10日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「坂道」~ 傾斜がきつい坂の途中に住んでいた。 小さな港町で海沿いは平地になっているが、 商業、教育、行政、交通機関が占めており 住宅地は山沿いに開けている。 小・中・高は、坂を上り下りの通学が 当たり前の光景だった。 大学進学を機 […]
2016年9月19日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「壁」~ 「家庭の事情」と言えば良いのか、 子供の頃のことは あまり思い出したくない。 自分の居場所がなく 分かってくれる人もおらず いつも一人だった。 正確に言えば「ヒト」は居た。 しかし 心が通じる「人」ではなかった。 だから […]
2016年8月26日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「思いで」~ 休みの日には 彼女とよくドライブに行った。 それは彼女と結婚してからも 同じだった。 海へ 山へ 観光地へ 名所へ ・・・ テレビ番組を観ていると 以前訪れたところが 映っていたりするので、 「ここ、行ったよねぇ」 と話 […]
2016年8月5日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「柱」~ 今はもう取り壊されてしまったが 祖母の家の柱には 何本もの線が引かれていた。 それぞれ名前や日付けが 書かれており、 お盆やお正月で 孫たちが訪れた時に 身長を記したものだ。 ある高さからは 筆跡が違う。 それが 祖母の […]
2016年7月29日 / 最終更新日時 : 2018年3月24日 広報部 ショートストーリー ショートストーリー~「雷鳴」~ 子供の頃から 雷は嫌いだった。 耳を塞ぎ 目を閉じ じっと座っていた。 もう大丈夫かな?と思い 目を開けたとたん “ピカッ”と光ると 雷鳴が聞こえる前に 全力で耳をおさえた。 今はもう そこまでの反応はしないが、 嫌いな […]